シミ取りは皮膚科(美容皮膚科)か美容外科どっちがいい?
それぞれのメリットやシミ別おすすめ治療を解説
コラム04

目次
顔にぽつぽつとあって、つい気になってしまうのが「シミ」です。 最近はシミ取り治療を希望する方も多いですが、皮膚科か美容外科かどっちを受診したらよいのか迷うこともあるかもしれません。
そこで、この記事ではシミ取りは皮膚科か美容外科どっちがいいのか、それぞれのメリットやシミ別おすすめ治療を解説します。 シミ取りをしたいと思っている方、皮膚科と美容外科の違いを知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
皮膚科と美容外科の違い

まずは、皮膚科と美容外科はそれぞれどういったところなのかについて触れていきます。
最後には皮膚科と美容外科の違いについても解説します。
皮膚科とは
皮膚科とは、皮膚の病気や皮膚に関連する疾患を診察・治療する診療科です。
手足や顔、身体、耳、鼻、口の中など器具を使用せずに肉眼で確認できる範囲が皮膚科の診療可能範囲です。 また、爪や毛も皮膚ではありませんが、皮膚科の診療可能範囲に含まれます。 治療の一環として血液検査や皮膚生検を行うこともあり、皮膚の病気が全身疾患に関連している場合は適切な診療科へ案内してもらえることもあります。
そして皮膚科のなかには「美容皮膚科」があり、こちらは「さらなる美しさ」を目的としています。 そのため、皮膚科となっていますが治療には当たらない場合があり、自由診療となる場合が多いです。
美容外科とは
美容外科とは、見た目を美しく整えるための外科であり、整形外科の1分野となっています。
美容整形手術と呼ばれることもあり、シミやたるみなどの老化に対する治療や二重まぶたや鼻などの整形、脂肪吸引といった治療を行います。美容外科では病気や怪我を治す治療は行わないため、診察料は保険適用ではなく基本的に自費診療です。
それぞれの違い
ここでは皮膚科と美容外科について、目的・診療内容・治療方法の3点から違いを解説していきます。
目的
皮膚科の目的は皮膚の病気や症状を治療することであり、美容外科は顔や身体の形や外見を美しく整えることです。
詳しくは表のとおりです。
| 皮膚科(美容皮膚科) | 美容外科 |
|---|---|
|
|
診療内容
皮膚科の主な診療内容は炎症や痛み、痒みなどを伴う皮膚疾患に対応している場合が多く、病名としてはアトピー性皮膚炎や蕁麻疹、帯状疱疹などがあたります。
一方で、美容外科は目を大きくしたい、フェイスラインをすっきりさせたいといった顔や身体の造りに対する悩みに対応します。 美容外科は美容皮膚科に併設されている場合もありますが、美容外科と美容皮膚科は別分野です。
治療方法
皮膚科では、主に薬や医療機器を用いて保険適用内で治療を行いますが、美容外科はメスや注射などの機器を用いて自費診療で治療を行います。
皮膚科に関しては、あくまで病気の治療を目的とした治療を行うため、使用できる薬や医療機器は限定的な場合があります。
シミ取りは皮膚科(美容皮膚科)か美容外科どっち?メリット・デメリット

シミ取りを行う際には皮膚科(美容皮膚科)か美容外科かどっちを受診した方がよいのか迷うかもしれません。
皮膚科(美容皮膚科)のメリット
皮膚科(美容皮膚科)でシミを取り除く最大のメリットは、医師の診断を受けて肌の状態やシミの種類に最適な治療を受けられる点です。
シミにはそばかすや炎症後色素沈着などさまざまな種類があり、自己判断でのケアでは改善が難しいこともあります。 皮膚科(美容皮膚科)では、レーザー治療や光治療(IPL)、内服薬・外用薬など、科学的根拠に基づく考え方をもとにした治療を受けられるため安全性が高いです。
また、施術後のアフターケアやリスク管理がしっかりしており、万が一の肌トラブルにも適切に対応できます。 さらに、シミの種類によっては保険適用となる場合もあるため、コストを抑えられる可能性がある点もメリットといえるでしょう。
皮膚科(美容皮膚科)のデメリット
シミ取り治療を皮膚科(美容皮膚科)で受けるデメリットは必ずしも保険適用で治療が受けられるわけではない点です。
皮膚科(美容皮膚科)でのシミ取り治療は保険適用で対応できる場合もありますが、その種類は限られています。保険適用になるシミは以下の種類です。
- 太田母斑
- 扁平母斑
- 異所性蒙古斑
- 外傷性色素沈着
また、保険が適用されるのは病気や怪我を治すための治療であるため、治療法が限定されることもあります。
美容外科のメリット
美容外科のメリットは、二重整形や脂肪吸引など、さまざまな手術が受けられる点です。
シミ治療が受けられるケースもあり、同じクリニックですべてが完了するため、お悩みに応じて治療計画が立てられます。
美容外科のデメリット
美容外科のデメリットは、治療費が高額になる可能性がある点や皮膚に関する専門知識がない場合がある点です。
美容外科は自費診療が基本で、最新技術や機器を使用した治療が受けられる場合がありますが、その分費用が高額になることがあります。
シミ取りをする病院の選び方

シミ取りは気軽な美容治療の1つとなっていますが、綺麗にシミが取れるかどうかは病院の選び方に左右される面があります。
ここではシミ取りを失敗しないように、病院の選び方を5つ解説します。
シミに合った治療を受けられるか
自分のシミに合った治療を受けられるかは必ずチェックしておきましょう。 同じシミ取り治療でも病院によって取り扱っている治療方法が異なります。
シミにはさまざま種類があり、シミの種類や原因に合わせた治療でなければ症状が悪化したり効果を感じられなかったりします。 シミの種類や原因を正確に診断してくれる病院を選ぶことはもちろん、自分のシミに最適な治療を受けられるのかは公式サイトやカウンセリング時に確認しておくのがおすすめです。
最新機器が揃っているか
年々新しい技術や機器が登場しているため、できるだけ最新機器が揃っている病院を選びましょう。
新しい技術や機器はシミ取りの効果が高かったりダウンタイムが軽減されていたり、治療中の痛みが軽減されていたりします。
治療への満足度が高いだけでなく、肌への負担も軽減できる可能性があります。 最新機器が導入されているかは、公式サイトや口コミなどをチェックしてみましょう。通いやすい場所にあるか
複数回通院する可能性を考え、自宅や職場から通いやすい場所にある病院を選びましょう。
選ぶシミ取り治療にもよりますが、多くの場合は1回の治療では十分な効果を実感できず、複数回の通院が必要な場合があります。 治療後になんらかの症状があり、病院を受診するかもしれません。 もしもの場合にすぐに受診できる範囲にある病院がおすすめです。
予算に合っているか
あらかじめ予算を決めておき、その予算に合っているのかチェックしておきましょう。
シミ取り治療の多くは自費診療であるため、病院ごとに費用設定が行われています。 安すぎる病院は別途追加費用が多くかかってしまったり、十分な治療を受けられなかったりするかもしれません。
しかし、高いからといって効果の高い治療を受けられるとは限りません。 高いから、安いからで決めるのではなく、必要費用を明確に提示してくれる病院から自分の予算に合った病院を選ぶようにしましょう。
カウンセリングやアフターケアの充実さ
シミ取り治療は手軽に受けられる美容治療になりましたが、ダウンタイムや副作用の可能性があるため、カウンセリングやアフターケアが充実している病院を選びましょう。
シミの種類とおすすめの治療方法

シミといってもさまざまな種類があり、それぞれにおすすめの治療方法があります。
最後によくあるシミとおすすめの治療方法について解説していきます。
老人性色素班
老人性色素班は加齢や長期間紫外線を浴びることで顔・腕・手の甲などに発生する褐色の色素沈着です。
日光黒子と呼ばれることもあり、一般的にシミと呼ばれているのがこちらの老人性色素班です。 多くは30~40代以降のよく日光に当たる場所に現れやすく、数ミリから数センチの大きさになります。
おすすめの治療方法
老人性色素班におすすめの治療方法はメラニンを破壊してくれる光治療やレーザー治療です。
また、同時にケミカルピーリングといったターンオーバーを促進してくれる治療を行うことでより効果的にシミを改善できます。
わたなべ皮膚科のケミカルピーリングについて
わたなべ皮膚科のIPL光治療について
そばかす
そばかすとは遺伝的な要因で発生する細かい茶色のシミを指し、色白な方や若い女性に現れやすいです。
多くは5~6歳くらいから現れ成長と共に数が増えたり濃くなったりしますが、思春期を超えたあたりから薄くなっていく場合が多いです。 しかし、そばかすの量や濃さには個人差が多く、薄くなっても自然治癒で完全に消えることはほとんどありません。
おすすめの治療方法
そばかすにおすすめの治療方法はメラニンを破壊できる光治療やレーザー治療です。
また、光治療やレーザー治療と併用してL-システインやビタミンC・Eといった内服薬を使用して、体内からの治療を行うこともあります。
肝斑
肝斑は、目尻の下や頬骨にそって左右対称に現れる点や薄い褐色であり、シミの輪郭がぼやけている点が特徴です。
女性に比較的多く見られ、点々としたシミではなく面で塗ったように広範囲で現れます。 肝斑は「厄介なシミ」といわれることも多く、ほかのシミよりも治療が大変なため、間違った治療を行うとより濃くなってしまう可能性があります。
おすすめの治療方法
肝斑のおすすめ治療方法は内服薬です。
肝斑にレーザーを使用すると酷くなる可能性があるため、内服薬での治療がおすすめです。主な内服薬は、トラネキサム酸、シナール、ユベラなどです。 メラニンの発生を抑制したり、抗酸化作用によって酸化を抑えたりする治療です。
後天性真皮メラノサイトーシス
後天性真皮メラノサイトーシスはADMとも呼ばれ、20代前後のアジア人に現れる後天性のシミの一種です。
ADMの原因は現在不明となっており、はっきりとしたことは分かっていませんが、遺伝や紫外線が影響しているのではないかといわれています。 見た目が似ているため、そばかすや肝斑と間違われることもありますが、ADMは名前のとおり真皮の深い場所に発生するのが特徴です。
おすすめの治療方法
後天性真皮メラノサイトーシスにおすすめな治療はレーザー治療です。
レーザー治療のなかでも特にピコレーザーやQスイッチレーザーがADMの治療ではよく使用されます。
ADMは真皮の深い場所に発生するシミであるため、治療期間は少し長く3~6ヶ月ほど掛かる場合が多いです。 効果を実感できるまでに時間が掛かるため、「治療を始めてもすぐに消えてくれるシミではない」と知っておきましょう。色素沈着
色素沈着とは、怪我やニキビ、火傷などの跡にできるシミの一種です。
肌がダメージを負った際にできたシミではまず色素沈着が疑われ、軽度な色素沈着であれば自然治癒することもあります。 色素沈着には大きく、機械的な刺激で発生する摩擦性黒皮症と皮膚の炎症による炎症性色素沈着に分かれています。
おすすめの治療方法
色素沈着におすすめの治療方法は、レーザーや光治療、ピーリング、外用薬、内服薬などさまざまです。
よく選ばれるものはレーザーや光治療です。
炎症性色素沈着で何度も炎症を繰り返している場合は、内服薬で一度炎症を落ち着かせてから他の治療でシミ取りを行うこともあります。また、色素沈着はターンオーバーの正常化で回復スピードが上がることもあるため、日々のスキンケアの指導を受けられることもあるでしょう。
脂漏性角化症
脂漏性角化症は、長期間紫外線に晒されたり皮膚の老化現象が主な原因です。
少し隆起して茶色や黒色をしており、老人性イボとしても知られていますがシミの一種です。 多くは40代以上の顔や手の甲に現れることが多いですが、20代でも現れることがあります。 炎症を伴うと赤みや痒みが生じるかもしれません。
おすすめの治療方法
脂漏性角化症のおすすめの治療方法は外科的手術やレーザー治療、ラジオ波メス、液体窒素治療などがあります。
わたなべ皮膚科では、脂漏性角化症の方にはデルマトロンによる治療を行っています。 デルマトロンは、中周波域の微弱電流を用いて皮膚表面を薄く焼き削り、新しい皮膚の再生を促す治療法です。
デルマトロンは脂漏性角化症以外にも小さく薄いシミにも効果が期待できます。まとめ
この記事ではシミ取りは皮膚科(美容皮膚科)か美容外科どっちがいいのか、それぞれのメリットやシミ別おすすめ治療を解説しました。 皮膚科(美容皮膚科)は皮膚の病気や皮膚に関連する疾患を診察・治療する診療科で、美容外科は見た目を美しく整えるための外科であり整形外科の分野です。
シミにもさまざまな種類があり、それぞれに適した治療方法があります。 シミ取りをする前には、どのシミに該当するのかを医師に見てもらうようにしましょう。
わたなべ皮膚科は、一般皮膚科と美容皮膚科の両方に対応しており、皮膚のお悩みはなんでも相談できる場所となっています。 美容皮膚科では、小さなシミや老人性イボにお悩みの方に向けてデルマトロンによる治療を行っています。 皮膚について少しでも気になる点や悩みがあればぜひ一度ご相談ください。
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